~ 「母の看取り日記」篇について ~
‥‥これまで何とか在宅で暮らしをしていた私の母が、令和6年末頃から体調を崩し入院・施設入所を繰り返すようになりました。現在は終末的な介護・医療をしてもらえるいわゆる「ナーシングホーム」と呼ばれる施設に6月下旬に入所し療養しています。食べ物の経口摂取が困難になってきており、この施設への入所時に「看取り」の段階にあると医療関係者から告げられました。
このような、言うなれば人生最期の期間を迎えた「母の日常の様子」と「家族の思い」「家族がしてあげられること」、そして「看取りについての知識・情報」などをとにかく記録しておきたいと考えました。現在過ごしている施設への入所時からの日々の様子等々を「日記」という形で掲載させていただきます。私個人にとっての「記録」というだけでなく、「終末期(つらい言葉ですが)」にあるご家族の介護・看護をしておられる方の何か参考になることがあれば幸いです‥‥
〔6月某日〕(下旬)
〈入院していた総合病院を退院。新たな施設に入所しました。〉
【入所時の状況】
1 症 状
① 主たる疾患であり、4月末頃に発症した「誤嚥性肺炎」は、たまに38度台まで上がる発熱はあるものの、一応「寛解」(病気そのものは完全に治癒していないが、、症状が一時的あるいは永続的に軽減または消滅すること)状態で退院になりました。
② 両足の拘縮(関節が曲がったまま伸ばせない状態)は進んだままです。
③ 誤嚥の危険があることと発熱している期間も度々あったことから、入院中に「嚥下」(えんげ。飲み込むこと)のリハビリと食事の摂取は何回か試みられるものの栄養の経口摂取は衰えたままです。昼食を数口食べる程度。こうした状況を補うため、「アルブミン」というタンパク質を含んだ「栄養の点滴」と「水分の点滴」が入院期間中は行われていました。
④ 意識の状態としては、通常は傾眠状態ですが、話しかけると目をさまし一定の会話は行える状態です。
2 移動と入所時の経過
〇 当日午前11時ころ、介護タクシーで病院から施設(介護付き有料老人ホーム)に移動。私が同行しましたが、ベッドへの移乗、更衣などは職員さんがやってくれました。
〇 午後2時半ころ、今後訪問診療をしていただく主治医の先生による初めての往診が行われました。先生は、ひととおり診察後、今日からの点滴・投薬の処方と施設の看護師さんへの指示を行いました。
・ 今後の治療内容としては、先生が新たに処方する栄養点滴(「エネフリード」という栄養液)と水分の点滴、これまで服薬していた痛み止めなどの内服薬・目薬等の服薬、発熱時の抗生剤の投与などでした。
・ 今後の往診は、月2回(大体隔週くらい)となり、その際は私が極力立ち会うことにしました。
〇 食事については、これまでの病院での対応と同じく、昼食のみ提供は続けることにしました。栄養分の点滴は、乳白色に濁った薬剤(エネフリード)を毎日行うこととなりました。
(入所契約時にとりあえず決めた内容としては、入院中の食事摂取の状況から「食事提供はなし」でしたが、摂取困難とは言え入院中に休み休みながら続けられていた1日1回の食事を今日からすぐにやめてしまうことは、家族としてはできません。先生に相談し、まずは昼食の1日1食はこれまでどおり配食し、そのほかエンシュア(という名前の栄養飲料)とゼリー・ヨーグルトなどの補助食品の経口摂取は試み続けることにしました。)
3 施設の環境
〇 今回入所した施設は、制度的に言えば「介護付き有料老人ホーム」で、これに「訪問看護ステーション」が併設され24時間の看護体制もとられているところです。
〇 ケアマネジャーでもある施設長さんの下、介護職員と看護職員、そして相談員・事務職員の方々がチームとなり利用者さんの日常生活を支えています。そこに、訪問診療を行う内科・歯科の医療機関、訪問の看護師などが加わり、一定程度の医療を継続的に受けることができます。
〇 この施設の良いところは、全室がトイレ、洗面や収納スペースの付いた広めの個室で(細長い部屋ですが全体の広さは10畳くらい?あります。)、かつ家族の面会は毎日24時間自由であることです。どうしてもという場合は、脇に家族が泊まることもできます。プライバシーが保たれ、テレビ・音楽の視聴も気兼ねなくできます。
〇 自宅で家族が24時間介護はできないけれど、「看取り」というような最終段階を可能な限り家族が一緒の時間をすごしたいという場合には適した施設です。
【新たな生活のスタート】
1 療養の態勢
〇 電動の介護ベッドに、褥瘡(じょくそう。床ずれ)防止のため「エアマット」を敷き、姿勢の保持・体位交換のためクッション類をあてがっています。
〇 室内のクロークに、衣類・タオル・寝具のほか、常時使用する薬剤・介護用資材を収納しています。
〇 もちろんエアコンによる冷暖房があります。
2 生活環境の配慮
〇 本人の意識、視覚・聴覚の状況が衰えてきてはいますが、少しでも日常的な潤い・楽しみになればと、「小型のテレビ」と「CDプレーヤー」をテーブルに置きました。 (在宅で居た頃は、テレビの前に小さめのテーブルとイスを置き、テレビの視聴と居眠りで過ごしていました。)
〇 「置き時計」をテーブルに置き、「カレンダー」、「家族写真」を壁に掛けました。
【~kappaおじさんの独り言~】

kappaおじさん
何はともあれ、母の人生最期の段階の生活がスタートしました。とは言うものの「人生最期の‥」と言い切ってしまうのは私の内心としてはまだかなり抵抗があります。
ですが既に「超高齢であり、いわゆる終末期の心身の状態であること」は、お世話いただいている医療・福祉関係者、或いは客観的に状況を認識・判断できる人から見れば、明らかな状況でしょう‥。
しかし、私自身としては、今の何とかながら命をつないでいる状況がいつまでも続いていくような気がしてなりません…。頭の認識と心の受け止めは違うということでしょうか。
不安ながら、今の状況の中で自分にできることを可能な限りしていきたいと思っています。